logo

ファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」などのインターネットサービスを提供しているCROOZ(クルーズ)は、2018年5月10日に全ての事業を子会社化した。

本記事では、エンジニアとして新卒で CROOZへ入社し、現在25歳という若さでCROOZ EC Partners株式会社 (以下、EC Partners) のCTOを務める齋藤一真氏へ、ここまでの道のり、そしてCROOZ EC Partnersのエンジニアに何が求められるのかを伺って来ました。

CROOZ EC Partnersは、EC支援会社として、通販を展開したい会社や通販を強化していきたい会社に対して、サイトの構築・管理システムからマーケ、物流までを提供している。

CTOというのはあくまで役割

IMG_1853

-齋藤様は現在、どういう形で開発に携わっていらっしゃるんですか?

実は、今は、開発のメインの部分にはそこまで大きく関わってはいません。割合としてはだいたい一日の3割くらい。

今で言うと、サイトの中のデータベースのデータ移行であったり、重めのビジネスロジックの開発にスポットで入るような形で、基本的にはメンバーに任せています。

-なるほど、開発自体には多く関わるわけではないんですね

はい、そこは今の役割になってから明確に動き方を変えています。

以前は自分の成長ができればいいというような考え方で、自分の技術力の向上に集中している部分がありました。

ただ、取締役という立場になったときに、私個人としてのやりたいこととかではなくて、会社として今どこが欠けていて、私が一番貢献できるところはどこなのかというのを探して、そこを補うように動く必要があると考えたんです。

なので、今で言うと開発のみならず採用や営業も大事ですね。会社が新規で立ち上がったばかりなので、全方位的に力を入れてやっています。

-CTOという立場には自分で手をあげていかれたんですか?

厳密に言うと、私がやりたいですと言っていたわけではなくて、代表の稲子谷から、ECソリューション事業がもし会社になった時、取締役になる覚悟はあるか?と聞かれたことがきっかけです。

私はこの事業が大きくなると確信していて、ずっとやっていきたいという気持ちが大きかったので、「やります!」と言い、結果として、取締役CTOになったという経緯ですね。

CTOとか取締役は、あくまで役割だと思っているので、なりたいからなるというものでもないと思います。そこまでの仕事ぶりや働きぶりがあり、そこの役割としてやってくださいという後付けで来るものだと思っています。

パソコン自体使えなかったところからのスタート

IMG_1865

-齋藤様は大学までほとんどパソコンを使えなかったとお伺いしているんですけれど、本当ですか?

本当です。高校のときは情報の成績が2とか、そういう感じでした(笑)

-なぜそこからエンジニアを目指そうと思ったのでしょうか?

本当に漠然とパソコンやITが流行っていて、パソコンできないとやばいだろうと思ったのが始まりです。そこからパソコンとかITに触ることができる大学という基準で大学を決めました。本当にふんわりした気持ちで。

-入ってからは大変でしたか?

最初は大変でしたね。1年生の最初の授業で、OSってわからない人?って聞かれて、私だけがパッ!て手をあげて、けっこう恥ずかしい思いもしました (笑)

-それはかなり恥ずかしいですね…そこからどうやって巻き返していったんですか?

そうですね。スタートはそんなですけど、授業自体はそれなりにちゃんと受けていたこともあり、勉強についていくことはできました。

もっとやらないと、と意識したのは大学の3年生になるタイミングです。授業でプログラミングに触れる中で、これが職にできたら面白いだろうなと感じ、卒業したらエンジニアになろうと思い始めました。

そこで、社会に出てエンジニアになるのであれば、このままじゃ足りないと感じて、会社に入って実践的なインターンで勉強したいと考え、3年生のときとから2年間インターンをしました。

-仕事に近い環境でやってみたということですね。ちなみにそれはどこでやられていたんですか?

ゲーム会社で、私が通っていた大学の卒業生が社長をされている会社です。しっかり育成をするっていう文化で「これは良い!」と思って、コミットして働こうと決めて入りました。

目的を見据えた課題解決能力こそが自分の強み

-CROOZに入社して、最初はゲーム事業への配属だったんですよね

そうです。フロントからサーバーサイドまでやっていました。その後、SHOPLIST事業を経験して今に至ります。

-そこからかなり役割が変化しましたよね。新卒で入社されて今3年目、それこそ最初は開発メインにやっていたというところから、役割がマネジメントと変わってきて、なにが一番大変でしたか?

それで言うといつも大変です (笑)

ただ、自分で大変にしている部分もあって、私の考え方として自分ができるのが1だとしたら、常に1.5とか5とか10とかっていう自分のキャパを超えた部分をやっていくことが多いです。なぜならば、負荷をかけていかないと成長はないと思うんですよね。

なので、常にそういう自分に負荷をかけるようなことをやっていくと、自分にとっての2がいつの間にか当たり前のレベル・基準になっていきます。

そしたら、また負荷をかけて当たり前の基準をどんどん大きくしていくっていう繰り返しです。そういう意味だと今後もずっと大変です (笑)

-その考え方だと、今回の全事業の子会社化、取締役への就任といった変化は大きな負荷になったんじゃないでしょうか

そうですね。そもそもCROOZを選んだのはそういう変化の激しい渦に巻き込まれてやりたいという気持ちが大きかったので、そこは自分の思ったとおりの会社で満足しています。

-ゲーム事業部へ入社し、その後SHOPLIST事業への参画、そして当時新規事業だったECソリューション事業への参画と、短期間で幅広い技術を使っていますよね。その中で習得するのに一番苦労した技術と、逆に一番得意な技術というのがあれば教えてほしいなと思います

苦労したのはやっぱり最初です。基本的に当社のサービスはPHPで動いているのですが、初めの習得のところが一番きつかったですかね。

例えば、英語を覚える時も、日本語で言うとこういう当てはめ方なんだね、という言葉自体の仕組みがわかっていれば、ある程度入っていきやすいと思うのと同じです。

そういう意味ではプログラミングも1個突き詰めてしまえば他の部分も根幹は大きく変わらないので、その1個目の言語の習得が一番苦労したところです。

-なるほど、やはり0から1にするのはかなり大変だったんですね

そうですね。あと、私自身の得意な領域で言うと、技術者としてはコーディングというより課題解決とか設計の部分だと思っています

具体的にいうと、お客様がこういうことをやりたい、というようなお話があったときに、その最終目的を見定めた上で、こう解決した方がユーザビリティもいいですしコストもかからないので、より最大の成果が出せますよねっていう提案をする部分が得意だと思っています。

-その考え方ってどこで習得されたんですか?

これはCROOZに入ってから培われた部分が多いと思います。

プロダクトを作る上でも、ユーザーや世の中に対して何かを提供して対価をもらうというところに対して、すごく意識を強く持っている会社がCROOZのグループの会社であり、そこにいることで培われたと思います。

データの分析とPDCAこそがCROOZ EC Partnersの強み

IMG_1849-2

-ここまでは齋藤様ご自身について聞かせてもらったんですけれども、ここからはEC Partnersという会社、そしてエンジニアチームに関していろいろ聞きたいなと思います。まずは、EC Partnersの強みについて伺っていきたいんですが、具体的にはどういう部分が強みになるんでしょうか?

私たちはCROOZとしてSHOPLISTを営業から開発、物流まで1から内製でやってきており、何もない状態からユーザーに届けるところまで全部やってきている経験と、200億円規模まで拡大した実績が強みとしてあります。

-そこまでできるところっていうのは少ないんでしょうか?

いや、ワンストップで提供できる会社は他にもあります。

ただ、SHOPLISTのようなリアルなECを運営していて、そのノウハウごと提供しているとなると数は少なくなってくるかと思います。

技術力はもちろんですけど、私たちはSHOPLISTのこれまでのノウハウも提供していて、物流とかプロモーションやシステム、デザインとかも全部内製でやってきた上で、あらゆる施策についても、SHOPLISTでは成果がどうなったかという実績と裏付けがある状態で提案できるというのは他にはない当社の強みになります。

-そういう意味では、どのフェーズでも強みを発揮できますよね

そうですね。

CROOZ自体がもともとWebの業界で17年やってきた会社なので、ゲームに強いとかECに強いというよりは、数値を分析してどんどん改善策を打つ。そのサービスを作る上で必要なPDCAを回すというところのサイクルの速さも武器だと思っています。

ビジネスに強いエンジニアチーム

-現在EC Partnersのエンジニアチームって、どういう雰囲気のチームになっているんですか?

当社は部活みたいな雰囲気があるかなと思っています。中・高のころ運動部とかって所属したりしていました?

-してました。

部活って、みんなで優勝しようぜ!みたいな雰囲気があるじゃないですか。

当社もできたばかりというところもあって、やってやろうぜ!みたいな感じの部活っぽい雰囲気があり、エンジニアに限らず社内全体がそういう雰囲気だと思いますね。

-なんとなくわかります。みんなの目標が一致していて、そこに向かってやっていこう、みたいな感じですね。そうなると、エンジニアさん同士がしゃべることって多いですか?

多いです。開発体制からして「こうしたほうが良い」「こっちが良いんじゃないか」っていうのを全員で試行錯誤して色々変えながらやっています。なので、コミュニケーションを取ることは多いですね。

-そのあたりのコミュニケーションがうまくいくために気を付けていることとかってありますか?

個人レベルではあまり意識しているものはないかもしれませんが、チーム全体という話で言うと、上下の関係は関係なく言いたいことは言う。正しいと思ったことは発信するというのは全員が共通してやっていると思います。

-ちなみに、技術としては何に強い方が多いとかってあるんですか

特定の言語に強いというよりは、課題を解決するビジネス的な能力の部分に強みを持っている人が多いと思います。

-エンジニアさんでも、システムだけじゃなくビジネスの方にも入ってくる

もちろんです。

こういうものが作りたいっていうのがあった時に、それってどこのKPIを伸ばしたいのか、なんのために作るのか?という本質を考え、そのために必要なのは〇〇ではないという提案することもあるし、一番いい方法はなんなのかといった考え方は共通して持っています。

-齋藤様は営業もされているとおっしゃっていましたが、他にも営業とエンジニアを兼任しているようなメンバーはいるんでしょうか?

明確にエンジニア兼営業っていう人はいないですが、普通にお客様先でお話すことはもちろんあります。最初の取っかかりは営業が行ったとしても、2回目3回目とかでエンジニアが同席して行くということは当然あります。

-あまり明確に業務内容は分けていない?

そこは全く分けていないですね。もしやりたいという要望があるのであれば、全然やっていいと思います。ただ、エンジニアという職種が軸ではあるので、そこの業務をおろそかにしない範囲でチャレンジするっていうのは大歓迎です。

熱量を持った人と働いていきたい

IMG_1856

-採用に関してはどのような予定になっているんでしょうか

そうですね。おかげさまで案件も増えて人数としては直近でも30名。もう少し先の話をすると50名くらいまでには増やさないといけないフェーズには来ているので、そういった計画も今、進めています。

その間にもまた案件は増えていくことも考えると、継続的に増えていく予定です。

-今後どんな人に来て欲しいですか?

エンジニアの話でいうと、新しい技術を触りたいというよりは、お客様やその先のユーザーにどういう価値を提供できるかを考えられる人ですね。

-といいますと?

当社の場合、新しい技術を入れるのは、ユーザーやお客様のためを根幹に考えて、その上でやりたいことに対しての最適解が新しい技術の導入なのであれば、導入という判断をする流れになります。

なので、常に何か新しいものを入れて触れていきたいです。という方よりは、ビジネス寄りの考え方を持っている人が当社には合うと思います。

ただ、新しい技術を導入することは当然ありますし、大事だとも思っているので、絶対ナシというわけでもないです。

-ちなみに、現状のメンバーは子会社化する前からCROOZにいた方が多いんでしょうか?

そうですね。事業自体がもともとSHOPLISTの中の新規事業部という形だったので、SHOPLISTのメンバーが多いです。ただ、新しい風はどんどん入れていきたいと思っているため、キャリアの方もこれからは採用していきたいところです。

-ビジネスを考えられるエンジニアというのは多くはないと思うのですが、採用手法としては、スキルをお持ちの方を採用していくのか、もしくは採用後に育てていくのか、どっちですか?

それはどっちもあると思いますが、根本的ところから話すと、ビジネス的な観点をすでに持っているかどうかは、実はそんなに大事ではないと思っている部分もあります。

優先順位として、なんでもやりますみたいな熱量があって、まずは行動できる。そういう意気込みを持っている方に入っていただきたいです。

ビジネス的なところは当社で働いていれば身につくと思うので、根本のところが一番大事です。

-とにかくやりたい、という感じ?

そうですね。当社はスタートアップなので、そういう方であれば裁量も広く、いろいろ任せるっていうこともできます。

なにか与えられたことに専念したいっていうよりは、色々やりたい人のほうが本当になんでもできるから、本人も楽しいと思いますね。

とにかく現場で勉強してみればいい

IMG_1874

-最後に、これからプログラミングを勉強しようかなとか、エンジニアに興味があると思っている方に、これをやっておくといいんじゃないか、みたいな軽いアドバイスをいただけますでしょうか。

私もそうしてきましたが、まずは本当に現場に入って勉強することが一番だと思います。

個人で何かを制作してみるのも良いとは思いますが、会社に入ったら個人というよりはチームで開発することが多いので、チームでの開発を経験してみる。

学生の方であればインターンをやるとか、そうでなければ一緒に何か作る仲間を見つけてみるとか、そういう経験をしておけば、いざ会社に入ったときにすごく良いスタートダッシュができると思いますね。

-ありがとうございました!

<急成長中のBtoCアプリ開発の裏側をCTOから直接聞けるトークセッションイベントを開催します!懇親会も合わせて行いますので、是非ご参加ください!>
00ea7ab166e6601f3fba4d69bdb7ca05

この記事に関するキーワード

この記事の内容について報告する