国内最大級のコミック配信サービス「まんが王国」などの電子書籍ビジネスを始めとして、ゲームビジネスやクラウドファンディングなどのビジネスも展開している株式会社ビーグリー。今回は技術開発部に所属する橋口 誠氏、川野 晋慈氏に、自社サービス開発のやりがいやエンジニアになったきっかけなどについてお伺いしました。

自社サービスの楽しさと難しさ

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– 現在どのようなサービスを運営しているのでしょうか?

橋口:「まんが王国」という電子コミックの配信サービスを中心として、電子書籍のビジネス、あとは弊社の強みを生かしたパートナー企業さんとの協業でやってるゲームビジネスや、あとはクラウドファンディングなどのその他ビジネスを領域としたサービスを展開してます。

– さまざまなサービスがあると思うんですが、お二人はそれを全体的に見ているのでしょうか?

橋口:私はさきほどお話した、まんが王国のサービス全体、企画からリリースに至るまでの全体に関わっています。

川野:僕はまんが王国のインフラがメインになっています。あとは最近AIとかが言われ始めているので、そういうデータ分析のためのレコードをためたりとか、設計したりとか。

橋口:最近はまた新しいのも始まったしね。

川野:そうですね。あとは、実際漫画を読むときにビューアというのが立ち上がるんですけど、あのビューア回り、そこだけはコーダーとして携わってます。

– 今関わっている業務の中で、やりがいを感じるところってどんな部分でしょうか?

川野:設計に関わることが多いんですが、要望のふわっとした段階からそれをソースコードに落とし込んで設計していく段階で先のことも見越して設計するんですよ。半年後に絶対こういう要件追加来るだろうなみたいな。実際に見越してた要件が来たときって一番やりがいがありますね。あ、来た来たみたいな。

橋口:こんなのちょっと出てきたんだけどさって、それ組み込んでます、みたいな?

川野:そうです。それなら1日でいけます、みたいな。はまったときが一番やったなっていう感じがしますね。

– 橋口さんはいかがでしょうか?

橋口:業界でエンジニアリングマネージャーなんて言われているのに近い働き方をしてるのかなと思うんですよね。エンジニアとして手を動かしつつ、マネジメントもやってるので。

技術者視点で言うと、まんが王国はユーザー数が250万人を超えていて、朝から晩まで誰かしらが使っているようなサービスなので、そういう大規模なサービスに関してインフラ面からアプリケーションの部分まで仕様を考える部分から関われるのはやりがいになるなと思いますね。新しい技術のキャッチアップもしないといけないんですけど、先ほど川野が言っていたように、今やりたいっていうだけじゃなくて、半年後とかその先まで見据えて考えていくっていうのはエンジニアとして面白いです。

マネージャーとしてっていうところだと、エンジニアのチームに対しても、会社としてもいまだまだ良くしていきたい部分がたくさんあって、やりたいこともいっぱいあるっていう状態なんですよね。そこに対して他の人を巻き込んで動いていくっていうことを最近やっていて、その結果としていい方向変化が見えてきたりするとやっぱりやりがいを感じますね。

– 全社的な課題も巻き込んで解決していけるんですね。

橋口:そうですね。私も川野も技術開発部という部署にいるんですけど、企画をやっている部署ですとか、いろいろな部署と関わりがあるので、そういった人たちをうまく巻き込んで、こんなふうに変えていこうみたいなのをいろいろ試せるのは楽しいです。

– まんが王国のような自社サービスを手掛けたいというのは元から思っていたのでしょうか?

橋口:私の場合は受託とかSESとかいろいろと経験してきた中で、自社サービスが一番楽しかったんですよ。だから、今の会社に入るときも、自社サービスをやっている会社っていうのは理由の1つとして考えていました。

– 自社サービスが楽しい理由って、エンジニアというだけでなく、もっと大きいビジネス全体の視点でやっていけるところなんですかね。

橋口:そうですね。仕様から関われるとか、ある程度裁量が大きいっていうのはあると思います。ここはたぶん人によって好みが分かれるところだと思うんですけど、川野さんはどう?

川野:僕は自由度が高いところが好きですね。これを作ってっていうのが、がちっと決まっていないじゃないですか。

橋口:そうだね。

川野:作っている最中にちょっと変だなってなったら仕様が変わって、そっちの方がいいねみたいな。そういうのって自社サービスでないと厳しいですよね。

橋口:納品するものだと、契約書に「こういうものを作ります」って書いているとそれを変更ってのはなかなかできないですね。あとは納期とかの関係で、絶対こっちの方がいいと思っていても見送らないといけないっていうのは自分も経験がある。そういう意味では、例えばこれとこれ、絶対こっちのほうがいいから、こういうトレードオフやっててもいいですよねという交渉ができるとかっていうのは面白い。

– 逆にそこまで含めた仕様を自分で進めないとならないのが難しさでもありますよね。

橋口:個人的には、ただ言われるがままに作ってるだけっていう方がしんどいなっていうのがあります。エンジニアって突き詰めればプログラムに向き合う時間が長くなる。プログラムって勝手にああしろ、こうしろって言ってくれるわけじゃないからエンジニアが何かしら考える部分がどうやっても出てくるんですよ。だったら自分で考えて動かせるほうが楽しいなって。

初めて成果物が動いたときの感動

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– お二人はそれぞれどういったきっかけでエンジニアを目指されたのでしょうか?

川野:僕は大学まで文系で、プログラミングとかは未経験の状態でしたね。心理学専攻だったんですけど、海外だと理系に分類されるぐらい統計とか数字とかを扱うことが多いんですよ。それで卒業論文を書くときに実験の装置を作ることになって。対人でゲームをさせて、それを数字で評価して、こういう心理だみたいなことを言うんですけどね。工学部に装置を依頼していたんですけど、逃げられまして。

橋口:工学部の人が?

川野:そう。休学しちゃって。でも卒論書かないと卒業できないし。

橋口:チーム組んでるのに、その中核がいなくなったみたいな。

川野:それでプログラムが来ない、じゃあ自分でやるしかないってなって触り始めたのが最初ですね。

– そのきっかけがなければ今エンジニアをしていないかもしれないですね。

川野:そうですね。プログラミングの言語がC+だったんですよ。これが結構難しくて。

橋口:途中まで出来ていたの?

川野:いや、ゼロからやりました。開発環境はC+っていう決まりだけある状態だったので。最初全然動かなくて。マニュアルと格闘して、3日ぐらいでやっと画面に「HELLO WORLD」が出て。すごいうれしかったですね。

橋口:初学者でC+はしんどいよね。

– すごいハードなところからスタートしたんですね。逆にこんなにハードだって知ってたらやりませんでした?

川野:やらなかったと思います。でもずっとやって動いたときめちゃくちゃうれしくて、もうこの道目指すしかないって思いましたもん。

橋口:すごいな。結構すぱんと、その瞬間に?

川野:楽しかったです。はまって、はまって、やっと出たときとか。

橋口:分かる、分かる。トライ・アンド・エラーを繰り返して、あ!これだった!みたいな。

– 橋口さんは理系なんですか?

橋口:実は私も文系なんですよ。

– お二人とも文系なんですね。

橋口:しかも川野より始めた時期はさらに遅くてですね。私、就職活動の時期がちょうどインターネット使って就職活動っていうのが主流になるぐらいの時期で。2000年ぐらいですかね。最初IT業界とは別の業界で内定をいただいてて。そのときに「論文と就活に使うだろう」って買ってもらったパソコンが家に眠ってまして。もったいないのでインターネットとかやり始めて、「初めてのホームページ」みたいなのが当時流行ってて、やってみたらすごい!ってなったんですよ。さっき川野も言ってましたけど、自分でやって、試行錯誤して出来上がった瞬間がすごい楽しくて。絶対こっちの方がおもしろいだろうってなって、いただいてた内定を断って、未経験でも採用してくれる会社を探して、入社しました。

– 自分からハードな道を選んでいくってなかなかないですよね。

橋口:そんだけ楽しかったですね。それこそ当時って、今で見ると全然大したことないページで。そもそもWebサイトじゃなくてホームページって呼ぶような時代ですからね。画像があって、カウンターがあって、BGMみたいなの流してって。そうやって1つ1つ作って行くのがすごく楽しくて。これが世界中に公開されてるんだって思ったらテンション上がっちゃって。そのまま、こっちの道がいいやっていう感じでした。

– お二人とも共通するのは動いたことへの感動みたいなところですね。

川野:そうですね。

橋口:はまったときほど突破したときのテンションの上がり具合が面白い。

自由を楽しみながら仕事をする

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– エンジニアとしてのやりがいとか達成感ってどういったところにありますか?

橋口:自分で課題解決しなきゃいけないってなって、それが実現できたとき。例えば負荷が課題だとしたら検証して、想定している負荷に耐えられたとか。そういう自分が考えたことがばちっとはまっていることが確認できた瞬間っていうのはすごく面白いですね。

この会社だとさらにもう1個先まであるかなと思って。自分が手掛けた結果で、売上だったりユーザー数だったり、何かしらビジネス的なものが同時に見えるのも自社サービスの会社のエンジニアとしての面白さだと思います。リリースした機能が、これだけのユーザーに使われているって分かるとやっぱりうれしいです。

– 川野さんはいかがでしょうか?

川野:橋口さんとか特にそうなんですけど、ふわっと要求してくるじゃないですか。

橋口:そうだね。

川野:「前例ないけどこういうのできる?」みたいな。そういう前例がなかったり、実現方法が分かってないような要求を試行錯誤して形にできたときがやっぱりうれしいですね。

– 普段どんな感じでお仕事をされていますか?

橋口:業務中は比較的静かですね。ただ全く会話がないかというとそんなことはなくて、同じフロアに開発以外のメンバーもいるので、ちょっとした打ち合わせとかは頻繁にします。エンジニアと企画とデザイナーで30分くらいここらへん詰めない?みたいな。必要な会話はフットワーク軽く起こるけど、そうじゃないものはSlackでやり取りするみたいな感じですね。業務時間後も普通にしゃべりますよ。この間も去年入社した人が主催でLTの大会やったりとか。

– こんな人と働きたい、こんな人ならビーグリーに合うっていうような人物像ってありますか?

川野:いろんな案件があるのでやることの幅ってすごい広いと思うんですよね。自由度も高いのでそういう環境を楽しめる人ならいいのかな。ばちっと決まってる方がいいって人はやりずらさを感じるかも。

橋口:私も技術面でも会社の文化みたいなところも改善できる部分ってたくさんあって、まだまだ変えていきたいって思ってます。そういうのを前向きに一緒に楽しんでやっていける人がいいなってすごく思います。

手を動かして強みを作る

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– 最後にこれからプログラマーを目指そうという方、プログラミングを始めたばかりの方へ明日からできるアクションを1つずつ伺えたらと思います。

橋口:少しでも興味のある言語とかあったら、実際に書いて動かしてみるっていうのがいいんじゃないかと思います。大掛かりな何かを作るとかWebシステムを一人で作るとかそんな大それたことじゃなくてよくて。よく言われるHELLO WORLDとか、それこそ私がやった初めてのホームページとか。まずは手を動かして、何か目に見える形で「できた!動いた!」っていうのを確認して。言語は自分が興味があるものからでいいと思います。

– 川野さんはいかがですか?

川野:僕も未経験でやらなきゃいけなくなったとき思ったんですけど、最初はすごく大変だと思うんですよね。プログラミング言語も覚えなきゃいけないし、SQLやらGitやらいろいろ出てくるじゃないですか。最初どれも中途半端になってしまったっていうのが今思うと反省点だったりします。だから1つどれかを極めるって決めて、それをひたすらやってみるっていうのを僕はすすめたいです。言語だと、ループ処理とかあれ何でループするの?って気になるよね。っていうところから突き詰めていって、Javaのループ処理がきちんと理解できたらRubyもPHPも最終的には同じことをやってるってなる。1個ひたすら極めていったら自分の中で方程式ができて、そういう感じで勉強していくと効率よくプログラミングが勉強できると思います。

橋口:確かにそれはありそう。ある程度慣れてくると、やったことない言語のコードでも何となく読めるみたいな。もちろん言語ごとの関数のくせとかそういうのはわからないにしても、ここってたぶんこんな処理だよねっていうぐらいは読めるようになってくる。そういった意味では中途半端に特定の言語の何かにこだわるよりは、動き方とか考え方みたいな根本まで突き詰めていくのはありかもね。

– まずは手を動かして、自分の強みを何か1つ作るっていうのが大事なんですね。質問は以上になります。ありがとうございました!

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