仕事などでプレゼンをする機会が多い方の中には、
「資料はちゃんとできているのにわかりにくい」と聴衆に言われて、何かコツはないか悩んでいるという方は多いのではないでしょういか。
実際、どんなに上手な資料を用意しても、話し方が上手でないと聴衆に「わかりにくい」と言われてしまうことはよくある話です。

しかし、プレゼンとはあなたの主張を聴衆に伝えることですから、聴衆が「わかりにくい」と思ってしまうプレゼンは、せっかく事前準備をあなたがしたとしても価値の低いものになってしまいます。

そこで今回は、あなたが上手なプレゼンをできるよう、話し方に焦点をあてて、すぐに実践できるコツをお伝えします。

1.上手いプレゼンとは、「あなたの主張が聴衆に伝わる」プレゼンです

そもそも、上手いプレゼンとは「あなたの主張が聴衆に伝わる」プレゼンのことを言います。

つまり、どんなに良い資料を用意しても、聴衆があなたが伝えたいことを理解できなければ、そのプレゼンは上手いプレゼンではありません。

1.1.上手いプレゼンには2パターンあります

さらに、上手いプレゼンには2パターンあります。

パターンA:あなたの伝えたいことを聴衆に理解してもらうためのプレゼン
パターンB:あなたが伝えることに対し聴衆が魅力的に思い、実際に行動に移してもらうためのプレゼン

この2点です。この2つのパターンはあなたが聴衆に求めるゴールが異なります。

パターンA:あなたの伝えたいことを聴衆に理解してもらうためのプレゼン

あなたが伝えたいことが100あるとしたら、それが100%聴衆が理解できるプレゼン。
たとえば、あなたが開発した商品の知識を聴衆に理解してもらうためのプレゼンなどがパターンAに値します。

パターンB:あなたが伝えることに対し聴衆が魅力的に思い、実際に行動に移してもらうためのプレゼン

あなたが伝えたいことが100あるとしたら、それが120%聴衆が理解できるプレゼン。
つまり、あなたが伝えたいことが聴衆に100%伝わり、それに加えあなたが伝えたことを聴衆が魅力的に思い、実際に行動に移したくなるようなプレゼンです。
たとえば、あなたが開発した商品の知識を聴衆に理解してもらい、さらにその商品に対し魅力的に思い、実際に購入してもらうためのプレゼンなどが値します。

パターンAは聴衆に伝わるということに重きを置いていますが、パターンBではそれに加え、聴衆に実際に行動に移してもらうということに重きを置いています。

そして、上手いプレゼンをできるようになるためには、プレゼンでの話し方を鍛える必要があります。では、パターンごとに上手いプレゼンをするための話し方のコツをご紹介いたします。

2.パターンAのプレゼンができるようになるために

あなたの伝えたいことを聴衆に理解してもらうためのプレゼンをできるようにするためにあなたが鍛えるべき話し方のコツは5つあります。

1論理的で全体像がわかる進め方をすることができる

起承転結がはっきりしている進め方ができれば、論理的で全体の流れを聴衆が頭に簡単にインプットできるプレゼンになります。

たとえば、結論から先に伝えるという方法は、聴衆に伝える内容を理解してもらうためのテクニックの一つです。

2聞き取りやすい声で話すことができる

聞き取りにくい声や小さな声で話すと、聴衆はあなたが何を言っているのかわからず、話を理解するということよりも話を聞くことそのものに集中してしまい、あなたが伝えたいことが伝わりません。聴衆に伝えたいことを理解してもらうプレゼンをするには、聞き取りやすい声で話すことが重要なポイントです。

聞き取りやすい声で話す方法としては、一句一句大きく口を開けて話す、自分が思っている以上に大きな声で話す、などがあります。
また、プレゼン本番で聞き取りやすい声で話すためには、練習でも同じ声の大きさで話すことが望ましいです。

3聴衆のレベルに合わせた話し方・説明をすることができる

聴衆のレベルに合わせた話し方をすることにより、聴衆の理解度がいっそう増します。

たとえば、聴衆が学生であなたのプレゼンの内容に対し聴衆に全く予備知識がないならば、できるだけ専門用語は使わず、具体例や比喩を用いてわかりやすく説明すると、聴衆は初めて聞く内容でも理解を深めることができます。

このように、聴衆の知識レベルに合わせた言葉の表現や話し方をすることにより、聴衆はあなたが伝えたいことをより理解することができます。

4聴衆が内容を整理することができるように、プレゼンに間を置くことができる

あなたが休む暇なくひたすら話していると、どこで話題が切れているのか、どこが重要ポイントなのか聴衆が整理することができません。また、あなた自身もプレゼンに余裕がなくなりがちになってしまいます。

そこで、話題が変わるタイミングごとに5秒程度の間を置いてから話すことで、聴衆だけでなくあなた自身がプレゼンのポイントの整理や話題の切り替えができるようになり、余裕の持ったプレゼンができるようになります。

5「では」・「しかし」といったつなぎの言葉を使ってポイントを整理することができる

「では」・「しかし」といったつなぎの言葉は話題のまとめや変更の合図なので、聴衆は敏感に聞いています。このような合図がないと、重要なポイントや話題の流れなどがわかりにくいプレゼンになってしまいます。

そこで、聴衆だけでなくあなた自身がプレゼンの流れを理解できるようにするために、合図としてつなぎの言葉を適宜取り入れましょう。

以上のような話し方ができれば、あなたの伝えたいことを100%聴衆に理解してもらうプレゼンができます。

3.パターンBのプレゼンができるようになるために

あなたが伝えることに対し聴衆が魅力的に思い、実際に行動に移してもらうためのプレゼンをできるようにするためにあなたが鍛えるべき話し方のコツは、先ほどご紹介したパターンAのプレゼンができるようになるための5つのコツに加え、4つあります。

パターンBのプレゼンでは、あなたが聴衆に
伝えたい・魅力に思ってもらいたい・行動に移して魅力を体感してもらいたい

といった感情を話し方で伝えるというスキルが求められます。

1 伝えたいことが魅力的であると本当に伝わる言葉で表現することができる

たとえば、あなたが開発した製品が素晴らしい機能を持っているということを伝えたい場合、
「この製品には素晴らしい機能があります!」
というよりも、
「この製品はだれもが本当にびっくりするくらい素晴らしい機能があるんですよ!」

と伝えた方が、意味は同じでも聴衆がよりあなたのプレゼンに興味を持ち始めます。

2 自分が一方的に話しているだけでなく、聴衆に問いかけができる

あなたが一方的に話しているだけだと、聴衆によってはつまらないと思う人や、眠ってしまう人がいる場合があります。
あなたのプレゼンに聴衆が集中したいと思えるようにするためには、適度な問いかけが必要です。
「あなたは~な体験をしたことがありますか?」
「あなたは~についてどう感じましたか?」

といったような問いかけをすることにより、一方的なプレゼンではなく、聴衆への配慮の効いたプレゼンになり、聴衆にあなたのプレゼンに集中してもらえるようになります。

3 ジェスチャーを取り入れ、全身で伝えることができる

資料のポイント部分に手を向けたり、あなたの感情を手足を使って表現したりといったようにジェスチャーを取り入れることにより、あなたの伝えたいことが聴衆によりいっそう伝わります。これは、人間の本能的なものでただ聞いているだけよりも、実際に見て確かめた方がより理解が深まります。

たとえば、資料のポイント部分に手を向けたら、「ここは重要だな」と聴衆が本能的に理解することができます。

従って、見た目というのは聴衆が理解するための重要な要素であるため、ジェスチャーを適宜取り入れましょう。

4 話し方に抑揚を付け、特に理解してもらいたいポイントを伝えることができる

たとえば、聴衆にここだけは理解してもらいたいというポイントがあれば、声のボリュームを通常よりも上げて話しましょう。

話し方に抑揚がないと、どこが重要なのかつかみにくいプレゼンになってしまいます。しかし、いくら60分の長いプレゼンでも話し方に強弱があれば、聴衆は自然とポイントを把握することができます。

以上のような話し方ができれば、あなたの伝えたいことを100%聴衆に理解してもらい、さらに聴衆がそれに魅力を感じ、行動に移してもらえるプレゼンができます。

4.まとめ

上手いプレゼンには2パターンあり、あなたが聴衆に求めるゴールによってあなたが鍛えるべき話し方のコツが変わります。

そこで、上手な資料を作るだけでなくあなたのニーズに合った上手いプレゼンをできるよう、今回ご紹介した話し方のコツを活かしてみてください。

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