不動産業界をITで効率化するためにESいい物件Oneなどのサービスを提供している株式会社いい生活。今回は同社でCTOをされている松崎氏、エンジニアをされている細川氏、土肥氏に仕事のやりがいや求める人物像などについてお話を伺いました。

不動産業界をITで効率化する

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– まず初めにいい生活ではどのようなサービスを運営しているのかお伺いできたらと思います。

松崎:私たちがターゲットにしているのが不動産業界で、もう20年近くやっています。その中で表現はいろいろ変えてきているのですが、最近は「不動産業界のデジタルトランスフォーメーションの推進」とか「DXの推進」みたいな言い方をよくしています。やっていることは基本的にずっと変わっていなくて、不動産業界の仕事のやり方をITで変えていきましょうというところです。

不動産って小売とかに比べると消費者とのタッチポイントも消費の回数も圧倒的に少ないですよね。例えば家を借りるといっても数年に1度引っ越しがあるかないかぐらいですし、家を買うなんていったら一生に一度あるかないかみたいな話で。そうなると今いろんなキャッシュレス決済で盛り上がったりしていますけど、ああいう市場の圧力がなかなかかからなくて、これだけ世の中はデジタル化だとかIT化だとかが進んでいても、なかなか変わっていかない。

とはいえ社会もどんどん少子化に向かってて、世の中のIT化が進んでいる中で当然不動産業界でも変革は求められる部分もあって。私たちとしてもそういったところも追い風にしながら不動産業で発生しているさまざまな業務、店舗の中で日々やるような業務も含めて、そういったところをWebサービスにしたり、ツール化したりというところをやっているんですね。そうすると人がやらなくて良い作業は極力システムにやらせたりとか、現地に行かなくてもいいような話は現地に行かずに終わらせたりするとか。そういった形で変革していっています。

– 不動産業界ってIT化は進んでいるのでしょうか、それとも遅れているんでしょうか?

松崎:全体として見ると遅れている方だとは思います。不動産業界は法律の絡みなども色々あって規制とかが厳しい業界なんですけど、最近ではメインの管轄の国交省とかはIT化を進めないといけないとは思ってるみたいです。また、ここ2,3年で、不動産テックという言葉が少しずつですが市場に認知され、不動産のIT化に取り組むサービス事業者も少しずつ増えてきています。例えば契約をデジタル化したいだとか。実際に社会実験が始まっているものだと、家を借りるときに書類見ながらいろいろ対面で説明受けるじゃないですか。あれをWeb会議だとかビデオチャットとかでもできるように規制緩和しましょうっていうのが進んでいたり。

そういった波に私たちも乗っかってはいくんですけどね。もともと紙とか対面とか現地とか、そういうアナログなのが大好きな業界なので大きく変わってるという感じではないですね。今ようやく少しずつ変わってきてるという感じなので、他と比べるとやっぱり遅れているってイメージが強いですね。

– 今開発のメンバーはどのような形で開発に関わっているのでしょうか?

細川:私はプロジェクトマネージャーとして関わることが多いです。プロジェクトは当社の主力商品に対して10個ぐらい小さなプロジェクトが走っているという状態で、その中のいくつかにマネージャーとして入るという形になります。基本的には弊社の主力商品のESいい物件Oneに対しての機能改善などになりますね。

具体的な仕事としては、プロジェクトを円滑に回していくのと、もう一つは営業やカスタマーサポートから入ってきた不動産会社様からの要求事項を整理して、開発とは別にいる企画の方と調整して、「こういうことをやればいいんじゃないか?」みたいなすり合わせをして開発を進めるというのがあります。

– 土肥様はいかがでしょうか?

土肥:私は細川とは違ってどちらかと言うと技術の専門職として開発業務に従事しています。主に担当しているのは先程話があったESいい物件Oneなんですが、このサービスが2012年の4月にリリースしたサービスでもう6、7年やってるサービスなんですね。そうするといろんなとこに徐々にガタが出てきたりするので、よりスムーズにサービスが動くように整えたりするところをメインでやっています。あと社内の若手に対する技術的な教育とかそういったこともやっています。

– 今やられている業務の中でどういったところにやりがいを感じますか?

土肥:今ちょっと色々溜め込んでてジャンプする直前みたいな状態で、うまい言い方が出てこないんですが、思った通りにものが出来上がる、既存の仕組みを踏まえて新しいものを生み出すといったところは非常にやりがいを感じるところですね。

細川:ありきたりではあるんですが、顧客の要求に対してフィットしたものができたとか、いいお声をいただけるみたいなところはやっぱりうれしいですね。

– そんなお二人をマネジメントする立場の松崎様のやりがいはどういったものでしょうか?

松崎:そもそも私のマネジメント対象がいくつかあって、ピープルマネジメント、いわゆる個人と、組織、評価制度があります。あと技術マネジメントもありますね。弊社でサービスを出すとき、全体のアーキテクチャをどうしていくとか、新しい技術をどう取り入れるのかとか。そういったテクノロジーのマネジメントと、そもそも何を不動産業界で出していくのかみたいなプロダクトマネジメントです。

プロダクトのマネジメントだと、既存のサービスとか製品がよくなっていくというのももちろん楽しいんですが、最近は今まであまりタッチしていなかったり、非効率だけどそれを解決するサービスがないみたいな領域にも踏み込んでいまして。トライアルでチームを組ませて新しいサービスを出したりするんですが、その結果うまく市場にはまった感があるプロダクトの方が面白みが強いですね。もちろん既存のお客様は大事にしないといけませんし、既にサービスインしている製品をどんどん改善していくっていくのも極めて重要なんですが、どちらかというと新しくサービスを開拓していくっていうのが面白いかなと。

– 要望にフィットしたという感じでしょうか?

松崎:要望というか、これは私がよく言っていることなんですが、今ないものに対してユーザーとかマーケットが「こういうのがほしい」って言ってくるのって結構エッジケースで。見たこともないものに対して評価ってできないですよね。だから私達がユーザーやマーケットを観察して、課題を見つけて、この課題はこういう風に解決したらいいんじゃないか?というアイデアを出して、それをサービスとか商品、アプリケーションという形で実現する。それがユーザーにうまくはまって、「こういうの欲しかったんだよね」って、気づいていなかったニーズを解決できるのが一番面白いんじゃないかなと。

テクノロジーのマネジメントだと、私は新しい技術とか結構好きでいろいろ調べたりもするんですけど、みんながそういう感じというわけでもなくて、新しいのが好きな人もいればそうでない人もいる。そんな中でも「これは取り入れた方がいいな」っていうのをチームとか組織にうまいこと入れていくんです。実際に私が使って、これ便利だよ!って言ってみたりとか。そうやって取り入れた結果、自分たちのサービスにうまい具合にはまって、開発効率が上がったりとか、開発のトイルと言われる面倒な作業が減っていたり、最終的にはチームの文化というか習慣になってちゃんと根付いていくのが見えるのが一番面白いところですね。

– 組織に関してはどうですか?

松崎:組織に関しては結構単純で。若いメンバーが時には失敗もしてうまくいかないっていうのを繰り返しながら育っていって、サービス開発とか組織の力が伸びていくのを見ていくのが人とか組織に関しては一番楽しいですね。

ユーザーの声は開発のモチベーション

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– 土肥様は一度退社してまた戻ってきたと聞いているのですが、いい生活のどこに魅力を感じたのか、一度外を見てまた戻ってきた理由も含めてお聞きしたいです

土肥:最初に入社したのは2011年なんですけど、大学・大学院と情報系にいて、大規模計算みたいなところの研究をしていました。入社した動機っていうのは日本全国の大きな不動産のデータを持っているんなら、いろんなことができるんじゃないかっていうのが大きかったかなと思います。あと細かいところだとお客さんからの売上で成り立っている会社みたいなのがよくて。当時の選択肢っていうのが広告会社とかが強かったんですよね。

戻った動機っていうか、正直戻るっていう選択肢はあんまりなかったんですけどね(笑)理由があったというよりは自分のライフイベントと転職のタイミングが重なった結果という感じでしょうか。ライフイベントが予定どおり行かなくて、どうしようかなって焦っていたら一緒に働いていたメンバーから「じゃあ戻ってきちゃいなよ」って言ってもらいました。

戻ってもいいかなと思ったのは、この会社にいたときに仕事を自分に任せてもらえて、いろいろ失敗もしつつ、それでも責任を与えてもらって考えながらやって。自分自身が成長できたって思えたからですかね。

– 細川様は自分で開発をするのと今のようなマネジメントと両方経験されているかと思うんですが、その中でエンジニアとして楽しさや達成感を感じたのってどんなときですか?

細川:私は2007年に中途で入社してるんですが、それまでは2次請けのSIerの会社にいて、決められたものを作るっていう仕事をずっとしてきました。みなさんあると思うんですが、30歳ぐらいでこの先もこのキャリアでいいんだろうか?っていう疑問が出てきて転職しました。

実際に入社してみて何が楽しいかって言うと、お客様と直に話せることがすごく増えたんですね。前の会社では対エンジニアの会話で、相手の会社もエンジニアとしての会話をしてくるので、仕様がどうとかそういう話は出るんですが、その先の声があまり入ってこない。今は当社で開発をして、カウンターにシステムを利用する方がすぐいる状態なので、顧客の要求とか悩みとか、こういうことをしたいんだよねっていうのが直に聞けて。そのニーズに対してはまるものを出せた達成感とか、あと些細なことなんですけどありがとうって言ってもらえるとか。それは意外とエンジニアとしてやってきてよかったなって思うことですね。エンジニアとしてというよりうちで働いててよかったと思うところかな。

– 直接反応が返ってくるのはモチベーションになりますか?

細川:そうですね。私はどちらかというとシステムを作るときにテクニカルな部分に興味があるタイプではなくて。顧客と話してニーズを聞いて課題を解決していくというところにやりがいを感じるタイプなので、反応が聞けるとやっていてよかったって思ったりはしますね。

口頭でのコミュニケーションも大切

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– 社内の雰囲気はどんな感じですか?エンジニア同士で話したりすることは多かったりするのでしょうか?

細川:比較的わいわいしてると思いますよ。言いたいことが言える雰囲気だなっていうのはあります。休憩スペースみたいなところがあるんですけど、そこで軽い打ち合わせしたり、お昼を一緒に食べたり。エンジニアが自然と集まれるようなスペースもありますしね。あとエンジニアだけでなくて営業とかも同じフロアにいるので、顧客からこういうことを言われたよみたいな話が自然と出たり。松崎も偉い人なんですけど、すぐそばにいたりする(笑)居心地がいい雰囲気だと思います。

– 土肥様は若手の方と一緒にやることも多いかと思うんですが、雰囲気作りに関して何か工夫していることってありますか?

土肥:僕の印象だけなのかもしれないんですが、最近の若い子って対面で話すのを避けたがるなっていうのは少し思っていて。社内Slackを使ってチャットベースで会話をするんですが、席が近いのに文字だけでコミュニケーションを取られて、「ん?」ってちょっと違和感を感じたりします。心がけてるのは、気になることがあったら席の近くまでいって直接話すようにはしていますね。あと話し言葉でも書き言葉でもあまり上から言うような表現にならないようにだいぶ神経使いますね。

松崎:コミュニケーションが得意なタイプもいるけど、口頭でのコミュニケーションが苦手なタイプも結構いるよね。だからSlack上だと饒舌なのに対面だとあんまりしゃべらなかったり。もちろんその逆もいますけどね。だからSlackと口頭でのコミュニケーションを足すと結構ワイワイしてるのかも。

新しい技術に興味を持っている人がいい

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– 社内の雰囲気を伺ったので、こんな人と働きたい、こんな人だといい生活にフィットするっていう人物像について教えてください。

土肥:月並みですけど、個人で何かしら得意な領域を1つは持っていて、かつ自律的に動ける方に入って頂けるととてもうれしいですね。技術に特化していてもいいですし、開発の上流でもいいですし。いろんな領域があると思うんですけど、なにか1つ武器を持っていて、1人でぐいぐい動いていける方とは一緒に働きたいなとすごく思います。

細川:エンジニアって2パターンいて、新しいものに興味を持つタイプと作業を黙々とこなしていくタイプに分かれると思うんですけど、うちは前者のタイプがよりフィットするんだろうなっていうのは感じます。先程松崎も話していたように、新しい技術を柔軟に取り入れていくという風土なので、そういうところに興味を持っている方の方が結果的に自分の好きなことができるんじゃないかなと思います。そういう人をまとめる立場になると、個性が強い人が多かったりするので大変だとは思いますけどね。ただサービスをよくするっていうことを考えると、そういう人が多い方が本人も楽しいですし、会社としてもそういう人が増えてほしいなと思っています。

松崎:うちの会社だけじゃないと思うんですが、開発がどんどんアジャイルにシフトしていて、市場価値の高いものをなるべく早くマーケットに投入して、頻繁にアップデートを繰り返しながらサービスを改善していくっていうサイクルが自社サービスをメインにしている会社だと重要だと思っています。なるべく高い頻度で新しい機能を出したり改善をしていかないといけない。

そうするとチームってある種のプロフェッショナル集団みたいになっていかないといけなくて、自分の強みは持ちつつも、チーム全体で成果を出すとか、どうやって早く顧客に届けるとか、開発の無駄をどれだけ削れるかとかも協調してやっていかないといけないんですよね。そういうときに他の会社ってどうやってるんだろう、どういうツールとか技術がトレンドなんだろうってアンテナを張ることって本当に重要です。

私ずっと言い続けてるんですけど、エンジニアって一生勉強し続けないといけなくて、勉強しなくなった時点でエンジニアじゃなくなるって思ってるんですよ。だから空いた時間でも知識とか技術に興味を持ち続けて、場合によっては実際に手を動かして、アプリを作って見るとか、技術を使ってなんかやってみるとか。そうやってプライベートの時間もうまく使ってエンジニアとしてのスキルを常に高めていく姿勢がまず大事なんです。

そういう意味だと、新しい知識とか技術に対する好奇心と、実際に自分でやってみてスキルを高めようとする実際のアクションにつながる人。そうして得たスキルをチームのコミュニケーションの中で仕事に生かしていけるというところまでできたらもうパーフェクトですね。なかなか一度に全部ってわけにはいかないと思いますけどね。そういう人ってうちの会社に限らず、自社でサービス作ってるような会社はみんな欲しがると思いますよ。

まずは1つの言語をある程度書けるようにする

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– 最後にこれからプログラミングを学んでいこうという方へのアドバイスをお願いします。

松崎:私としては市場で求められる人物像ってさっき話したような人だと思うんですけど、これから始めようとする人にはかなり高い要求水準ですよね。いきなり言われても何から始めたらいいのか分からないと思います。大事なのは将来ここを目指すからそのために頑張るっていう目標をちゃんと掲げることですね。

あと大事なのが、プログラムが書けたらエンジニアではないんですよね。エンジニアでいるためにはプログラムをある程度書ける必要がある。こういう関係なんですよ。プログラミングはあくまでも1つの手段であって、エンジニアになるためには分析したり、どういうシステムを作らないといけないのか考えるとかそういうことができないといけないっていうことはすごく意識してほしいです。

うちの新卒とかに「何を勉強したらいいですか?」みたいなことをよく聞かれるんですけど、「自分が息をするように何の言語でもいいから書けるようになっておいたほうがいい」って言います。何か作ろうってなったときに、いちいち文法とかやってたら話にならない。

なるべくモダンで流行ってる言語の方がいいとは思うけど、何か1つこういう風に動かしたいからこう書けばいいねっていうのが息を吸うように出てくる言語を1つ持っておいて、そこから広げていく。そうするとまた新しい技術に触れることがあってもすっと入ってくるんですよ。この言語ならこういう感じで書き換えればいいねって置き換えて考えられるので。あれやこれやとちょっとずつつまみ食いしてるとなんとなく分かった気になるけど結局何にも作れないってなるので、まずは1つの言語をある程度使えるレベルまで持っていくのがいいです。

– まず1つ極めるってことですね。

松崎:極めるところまではいかなくていいですね。上級者ぐらいのレベルまででいい。極めるってなるともはや沼です。エンジニアの世界って潜ろうと思えばいくらでも潜れるので沼の世界なんですよ。ある程度のものは自力で作れるとか、人に教えられるっていうレベルまでいければそこからの成長スピードは全然違います。

細川:全部言われてしまった(笑)1つ挙げるなら、私はあまりプログラムを書いていないので、言うのがおこがましい感じもしますが…同じ感じですけど、やっぱり1つ書けるものがあるといいんじゃない?と思いますね。書けないと何も始まらないですからね。1個強みになる何か、言語なりなんなりがあると実際働き始めてからだいぶ楽だろうなという感じはありますね。

松崎:あとフットワークは軽くってことかな。考えて動かないんじゃなくて、動きながら考える。やってみて初めてわかることの方が多いと思います。気後れせずに、ぼーんと走っちゃうってことも大事だと思いますね。

– 質問は以上です。ありがとうございます!

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