プログラマーが歩むキャリアパスを徹底解説
GEEK JOB編集部
ドラッグストアの店員からエンジニアへ転職し、現在アイレット株式会社でKDDIRET事業部のチームリーダーを務める福田悠海氏へ、エンジニアを目指したきっかけや、同社の魅力を伺ってきました。
AWSを基盤としたインフラ構築からシステム開発までをワンストップで提供し、世界トップレベルのAWS導入実績数を誇るアイレット株式会社。
今回は、同社のKDDIRET(ケーディーディーアイレット)事業部において、チームリーダーを務める福田 悠海(ふくだ ゆう)氏へ、エンジニアを目指した経緯や現在同社が積極的に導入しているスクラム開発スタイルについて伺ってきました。
アイレットはKDDIグループの一員として、AWS (Amazon Web Services)の導入から運用・保守までのフルマネージドサービス「cloudpack(クラウドパック)」と、Web・スマホアプリの開発などを行う「システム開発事業」を提供しています。
僕はその中で、アイレットの持つ技術力の高さを使ってKDDIとの共同案件を担当するKDDIRET(ケーディーディーアイレット)事業部に所属しています。
役割としては開発チームのリーダーになっているのですが、僕らが導入しているスクラム開発のスタイルでは上下関係を特に作らないので、フラットな関係の中でリーダーでもあり、いちエンジニアでもあるというポジションです。
そうですね。
今いるこのオフィスも、スクラム開発に最適化していて、今年の1月に開設しました。
スクラムというのはアジャイル開発の手法のひとつなので、大きな流れはアジャイルと同じです。
やるべきことに優先順位をつけて、1週間毎に期限を区切って、進捗の確認はもちろん、開発の進め方もそのタイミングごとにチーム全体で話し合いながら進めています。
市場はどんどん変化していくので、今まで最優先だったものの優先順位が下がるかもしれないし、逆に今までいらないと思っていた機能が非常にトレンドになって、優先順位を上げる必要があるかもしれない。
そのあたりを、お客様も交えて柔軟に変えながら進めている形です。
付箋とホワイトボードを使って、実際に開発で行っている流れを再現する福田氏
スクラム開発をしているとチームのメンバーが切磋琢磨しあって、どんどんスペシャリティが上がっていきます。
結果として、チーム全体としての開発力が上がっていくのは非常にやりがいになります。
新卒のころからずっとドラッグストアの店員として働いていました。
お店で使っていたシステムに対して不便さを感じたことがきっかけでした。
お店で働いている時に使っていたシステムでは、売上情報が常に更新されていて、近くのお店では何が売れているかといったことがすぐにチェックできるようになっていました。
ただ、チラシを配った日やポイント5倍デーの日など、売上データが頻繁に更新される日だとそのサーバーがすごく重くなって全然データが見れないとか、そもそもインターフェースが使いづらいといった部分に対して不満を持っていて「なんとかならないのか?」とずっと考えていました。
そうです。
そのうちに、こういう不便なものは世の中にたくさんあるんだろうと考え「それをなんとかできる人間になりたい」と思うようになりました。
大学時代にコンピューターの勉強をしていたこともあって、エンジニアの世界に入ることを決めました。
いえ、その前に1社経験しています。
学校の先生が加入する共済保険のシステムを作っている会社で、そこでは2年弱働いていました。
その会社がすごく古い体質の会社で、世の中でクラウドが主流になっていたり、新しい技術が次々と現れていったりする中で、何も変えることができない。
会社に役立ちそうな技術を調べて「これを使ったら良さそうじゃないですか?」という提案をしても、その内容以前に何かを変えること自体ができないといった状況でした。
そこで働く中で「このままここにいたら新しいことを何もせずに終わってしまう。外の世界から取り残されてしまう」と考えて、外部のカンファレンスや採用イベントに参加するようになり、そこでアイレットに出会いました。
アイレットが開催している「虎はち会」などの採用イベントに参加し、現場で活躍するエンジニアに当時僕が抱いていた悩みを全て正直にぶつけました。
それを全て解消してくれたことが決め手になりました。
特に、新しいことに挑戦し続けられるというのは大きかったです。
さきほど申し上げたとおり、非常にフラットな組織になっているので、新卒であるとか、業務委託であるとか、そういった肩書の部分は一切関係なくやっています。
それぞれが自分の強みを持っていて、例えばネットワークの技術に関しては新卒社員のレベルがかなり高いので、僕が質問しに行くことももちろんあります。
いえ、文系出身の新卒社員なのでもともとできたわけではありません。
以前は、僕らがアプリを開発するとなった場合、cloudpack事業を担当するチームにインフラ側を作ってもらった上で開発に入っていたのですが、あるタイミングでインフラ側も自分たちで作れないかという話になったんですね。
そのタイミングではチームの誰もインフラの知見を持っていなかったのですが、新卒社員が積極的に周りを巻き込みながら知識を蓄えていって、いまでは事業部の中でもかなり上位のレベルに達しています。
なので、新卒であるという点は全く関係なく、スペシャリストとして接しています。
そうです。
僕はアプリの開発が得意なので、そこに関してはノウハウを提供できますし、データベースは業務委託で来てくださっている方が一番得意だったりします。
スクラム開発をきっかけにそれぞれが自分の強みを見つけて、お互いを尊重し合いながらスキルアップしています。
新しいもの好きな人がいいです。
いろんなことに興味があって、なおかつ挑戦してみたいという人はすごく合うと思います。
そうですね。
もしわからないことがあれば、社内チャットツールのSlackで技術について質問をするチャンネルがありますし、各プロジェクトのチャンネルなどでも「〇〇がわからない」と書いてもらえればそれを見ている人が何かしら助けてくれるのがアイレットの文化です。
知らない、わからないということに後ろ向きにならずに、自分から発信できる方がいいと思います。
ちなみに僕のチームでは各自Slackに自分のチャンネルを作ってそこでリアルタイムに何に苦戦しているかなど書き込むようにしていて、チーム全体でフォローしながら業務を進めています。
僕自身がまさにそういうタイプなのですが、KDDIRETは、1案件につき1つ新しいことに挑戦するという姿勢を大事にしています。
新しいツールを使ってみるとか、言語自体新しいものを使うとか、チームの誰もやったことがないことを必ず1つ取り入れてプロジェクトを進めていく。
みんなゼロの状態からスタートして、他の事業部のメンバーに聞いたり、色んな情報を調べたりして進めていく。
1つのプロジェクトが完成したときには、チームとしてできることが1つ増えているというイメージです。
新しいフレームワークが出たら「これ使ってみようか」くらいの軽さでどんどん挑戦するので、新しいもの好きの方や、新しい技術をたくさん身につけたいという方にはとても楽しい環境だと思います。
もちろん、いままで挑戦してきたもののノウハウは蓄積されているので、そこに関しても共有することができます。
なので、僕らの持っているノウハウはどんどん吸収してもらいながら、新しいことにも一緒に挑戦していってほしいですね。
僕もそうだったのですが、まずは環境を変えてみるのがいいと思います。
よく面談などで「入社前に何か準備することはありますか?」と聞かれるんですが、準備とかはそんなにいらないと思っています。
それよりも、仕事を始めてみて、壁にぶつかって、ぶつかった時にそれをどうにか乗り越えていくことで力は付いていくはずです。
そうですね。始めようと思っても、思っているだけでは技術って全然身につかないですし、勉強だけしていてもエンジニアにはなれないので、なるところから初めてしまう。
もちろん、壁にぶつかったときに自分の力だけで乗り越える必要はなくて、誰かに聞いたり、手伝ってもらったり、方法はたくさんあると思いますし、その方法を考える力をはやく身につけておいたほうがいい。
そうですね。大学である程度学んでいたとはいえ、時間も経っていたし規模も全然違ったので、とにかく人に聞いて解決していました。
勉強も、会社に入ってから背水の陣で挑んでいましたね(笑)
会社に入れば技術的に優れた人は必ずいるはずなので、自分で調べるよりその人に聞くのが一番早く力をつけられるはずです。
もちろん、自分で調べる力をつけるのも大切ですが、最初は人に聞ける環境と、人に聞く力を身につけるといいと思います。