「色々なキャリアがあっていい」技術で会社を変えていく 株式会社エーピーコミュニケーションズ 児玉氏 神保氏
GEEK JOB編集部
プログラマーはブラックだと思っていませんか?過酷な仕事だと言われることの多いプログラマーですが、すべてのプログラマーがブラックであるとは限りません。その理由からプログラマーの実態、ブラック企業を避ける方法を紹介します。
「プログラマーは残業が多く、ブラックな職業なの?」
あなたはこんな風に思っていませんか?
インターネットを見ていると、「IT土方」や「新3K」など、プログラマーはブラックだと言う風潮が見受けられますが、本当にそうなのでしょうか。
この記事は、プログラマーがブラックな仕事かどうか気になっているあなたに向けた記事です。
この記事の中で、プログラマーがブラックな職業だと言われてしまう理由から、現在の労働環境の実態、そしてブラック企業を避ける方法について紹介します。
目次
結論から言うと、プログラマーはブラックな職業ではありません。
そもそも、なぜプログラマーはブラックだと言われるのでしょうか。
ブラックであるかどうかは、プログラマーという職業ではなく、働く環境に左右されることがほとんどです。
インターネット上などでプログラマーがブラックだと言われている理由は
「残業時間の多さ」と「休みの少なさ」です。
朝早くから夜遅くまで仕事をし、休日出勤もしているため体を休める時間が無いと言われています。
なぜそのようなイメージを持たれているのでしょうか?
それは、プログラマーが仕事として求められている成果に関係しています。
プログラマー、ひいては開発を行う会社に求められている成果は「システムを作り上げること」。
多くの開発には完成の期日が設定されているため、期日に間に合わなそうであれば、どうにかして開発のスピードを上げる必要があります。
その結果、作業者であるプログラマーがより長時間働く、という結果になるということですね。
たしかに、一昔前はそのような状態の開発会社が多く存在しました。
営業担当が無理な期日で契約を取ってきてしまう。
プロジェクトマネージャーが工数の見積もりを誤ってしまう。
度重なる仕様変更で予定通りに開発が進まない。
様々な理由で長時間労働が常態化しているプログラマーがいたのは事実です。
もちろん、全てのプログラマーがそのような働き方をしていたわけではありませんが、ネガティブな話題は広がりやすく、プログラマー全体がブラックな職業であるという認識が広まりました。
では、現在はどうでしょうか?
以前は過酷な労働環境が多かったプログラマーですが、現在は労働環境が大幅に改善されています。
まず、IT業界全体で労働環境が劇的に改善されています。
Vorkersが発表する「2018年Vorkers残業レポート」にて、業界別の月間平均残業時間が発表されています。
レポートによれば、2012年から2018年にかけてのIT業界における月の平均残業時間は次の通りです。
業界 | 2012年 | 2018年 |
---|---|---|
インターネット | 57.4 | 28.8 |
情報サービス、リサーチ | 55.1 | 31.5 |
通信、ISP、データセンター | 40.0 | 24.6 |
SIer、ソフト開発、システム運用 | 46.4 | 28.5 |
コンピュータ、通信機器、OA機器関連 | 39.4 | 25.6 |
平均しても、月の残業時間は47.66時間から27.8時間になっており、約20時間も減少しています。
全業種の平均残業時間は29.26時間となっているので、ブラックどころか、IT業界は全業界の平均残業時間よりも少ないことが分かります。
月の営業日は平均20日前後なので、残業は1日あたり1時間ほどということになります。
また、働き方改革により、36協定(さぶろくきょうてい)も新しいものになります。
36協定は労働者と経営者の間で結ばれる、労働時間に関する決まりごとを双方の間で取り決めたものです。
今までの36協定には法的な拘束力がなかったため、ブラックな職場では形骸化したものとなっていました。
新しい36協定は法的な拘束力があり、罰則付きのため、無理な残業はできなくなります。
新しい36協定は大企業ではすでに施行されており、2020年の4月までに中小企業を含む全ての企業に適用されます。
これからさらに働きやすい環境へ変わっていくことが予想されますね。
参照元:2018年Vorkers残業レポート
https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_54
ブラックとホワイトが明確に分かれるポイントはどこでしょうか?
ホワイト企業だからといって残業が全く無いわけではないですし、場合によっては休日出勤をするケースもあります。
実は、この違いはとても簡単で、法律を守っているかいないか、という点です。
休日出勤をした場合、法律上必ず代休を取得する必要があります。
ホワイト企業はこれを守りますが、ブラック企業は守りません。
残業に関してもそうです。
残業自体は法律上禁止されていませんが、1日あたり、月あたりの上限の残業時間は決まっています。
ホワイト企業でも残業すること自体はありますが、この上限を守って運用しています。
ここまで、プログラマーの概要について触れてきましたが、プログラマーは具体的にどのような仕事をしているのか、平均的な残業時間から年収まで、プログラマーの実態について紹介します。
あなたがプログラマーを目指すにあたって、具体的なイメージができるようになります。
プログラマーの一番の仕事は、コードを書くこと(コーディング)です。
どのようなプログラムにも設計書があり、コードは設計書に則って書いていきます。
コーディングが完了したら、テスト(デバッグ)作業です。
あなたが書いたコードが想定どおりに動くか、他の人が書いたコードと組合せて想定どおりに動くかをテストします。
テストの結果、想定どおりに動かなければコードを修正して、再度テストをします。
コーディングとテストはセットで、プログラマーとしての主な仕事内容です。
プログラマーはコーディングだけでなく、プログラムの動作をドキュメントに残す必要があります。
たとえば、他の人が書いたコードが何をしていて、どのように動いているのか、説明書を貰えればすぐに理解できますよね?
プログラミングは一人で行うことはあまりなく、チームで行うものです。
あなたが書いたコードの説明書となる、仕様書を書くこともプログラマーとしての大事な仕事の一つです。
IT業界全体の平均残業時間は、27.8時間でしたが、プログラマーの平均残業時間はどのくらいでしょうか。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模が10人以上で平均勤続年数が6年ほどのプログラマーの残業時間は15時間と発表されています。
月の稼働日数は20日程度ですので、1日1時間残業するかどうかといった程度ですね。
納期近くになるともう少し残業時間は延びることが予想されますが、平均して残業時間は少ない傾向にあります。
参照元:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/13.pdf
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模が10人以上で平均勤続年数が6年ほどのプログラマーの年収は約480万円です。
国税庁の「平成29年分民間給与実態統計調査結果」によれば、日本人の平均年収は約430万円ですので、プログラマーは日本人の平均年収を上回ります。
年収に関してはあくまでも平均値であるため参考程度ですが、プログラマーはスキルがある分、転職が容易になります。
プログラマーとして経験を積めば、フリーランスになる道もあるため、年収を増やしやすい傾向にあると言えるでしょう。
参照元:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/13.pdf
参照元:国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査結果」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm
プログラマーはブラックな職業ではないことは分かってもらえたと思います。
もしあなたがプログラマーになりたいと考えていたのであれば、少し安心していただけたのではないでしょうか?
そうなると次に気になるのは「自分でもプログラマーになれるのかな?」というところですよね。
安心してください。
プログラマーの需要は高まっていて、未経験者でもプログラマーになることはできます!
2019年5月13日に発表された転職サービスのDodaのレポートによれば、IT・通信業界の求人倍率は「6.30」となっています。
求人倍率は求人数を求職者数で割った値で、1.0を超えると求職者数よりも求人数のほうが多いことを表します。
さらに、その中でもプログラマーを含むIT技術者の求人倍率は「8.50」と、1人のプログラマーを8社以上が取り合うような形になっていますね。
また、IT業界はまだ歴史が浅く、働いている人の平均年齢も若い傾向にあります。
他の業界よりも平均年齢が低く、どんな人を採用するかという点においては柔軟さがあります。
参照元:Dodaエージェントサービス「業界別求人率」より
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
参照元:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/13.pdf
情報処理推進機構(IPA)が発表している「IT人材白書2018」に、IT企業が新卒IT人材を採用した際に重視した専攻のデータがあります。
その中では、専攻をこだわらないと回答した企業が全体の58.1%にもなっています。
また、採用する上で魅力的なスキルにプログラミングを挙げており、こちらも全体で約50%の企業が魅力的だと回答しました。
理系や文系という専攻にこだわりがないということは、学校で学んだことに対してこだわりがないということ。
つまり、学歴にこだわりがないことに繋がりますね。
さらに、プログラミングができる人材を魅力的だと感じている企業が多いため、プログラミングができる人材は未経験でもほしいと思う企業は存在しています。
参照元:情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書2018」より
https://www.ipa.go.jp/files/000065944.pdf
プログラマーがブラックではないこと、未経験からでも転職できることを魅紹介しましたが、世の中にブラック企業が0になったわけではありません。
数は大幅に減ったとは言え、運悪くブラック企業に勤めてしまったらとても悲しいですよね。
ここでは、そんな悲しい思いをしないために、どうしたらブラック企業かどうかを見分けられるのか、3つのポイントを紹介します。
年間の休日数や給与の下限は法律によって定められています。
求人を閲覧した際に、
・年間休日日数
・月の残業時間
・最低給与額
・残業代支給の有無
・有給休暇の日数と付与時期
最低でも、上記の項目はすべて記載されていることを確認しておきましょう。
上記項目が欠けている場合は要注意です。
最も有効な手段は、離職率を確認する方法です。
ブラック企業は、離職率が高い傾向にあります。
激務に耐えられなくなり辞める人が続出するからですね。
離職率が公開されており、3年以内に離職する割合が3割を超えていた場合は要注意。
何らかの問題を抱えている可能性が高いです。
しかし、企業のHPに離職率が直接掲載されているケースは稀です。
離職率が高い企業であればなおさら公開はしていないでしょう。
面接の場で平均の勤続年数を聞くという手もありますが、「御社は人が辞めやすい会社なんですか?」というのはなかなか聞きにくいですよね。
その場合は、次の方法で確認をしてみましょう。
2年以内にオフィスを移転しており、なおかつオフィスの規模が小さくなっている場合は要注意です。
オフィスの規模が縮小する原因は主に2つあります。
1つは人数の減少。
社員数が減少したことによって広いオフィスが不要になり、狭いオフィスに引っ越したということですね。
この場合は、前述した離職率が高い可能性があるので、面接の際にやんわりと聞いておいたほうが良いでしょう。
もう1つは経営上の問題。
これは、広いオフィスの家賃を支払う余裕がなくなった場合に起こるケースです。
この場合、企業に金銭的な余裕が無いことが予想されますので、サービス残業などが発生する可能性があります。
念の為、直近5年ほどの利益の推移などを聞いてみると良いでしょう。
プログラマーとして、ブラック企業に飲み込まれないように仕事を続けるためには、会社選びも重要ですが、あなた自身のスキルを磨くことが最も大切です。
スキルを身につけることは、あなたの価値を上げることに繋がります。
価値が上がれば、ほしいと思う企業が増え、あなた自身の選択肢の幅が広がりますね。
プログラマーに限った話ではありませんが、IT業界は日進月歩の世界であるため、常に新しい技術を習得し続ける意識が重要です。
スキルを身につければ、たとえブラック企業に入ってしまったとしても、抜け出すことが容易になります。
また、スキルは目に見えづらいものであるため、形として残すようにしましょう。
プログラマーであればアプリケーションやWebサービスを作って、それを成果物としてあなたのスキルを目に見える形にします。
就職や転職の際に、成果物を企業に提示することができれば、あなたのスキルを確認しやすくなりますね。
成果物のレベル次第では、あなたが想像する以上の企業へ入社することもできますよ。
プログラマーは今や引く手あまたであり、未経験でもやる気があれば就職できる企業も数多く存在しています。
スキルを身に着けた状態であれば、さらに就職はしやすいでしょう。
就職に関して不安を感じる人は多く、就職のプロである就職エージェントを利用する人も増えてきています。
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もちろん、ご紹介する企業がホワイトかどうかも厳しくチェックしていますので、安心して企業選びをおまかせいただけます。
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