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スマートフォン一台で完結するゲーム配信アプリ「Mirrativ」を運営する株式会社ミラティブ

本記事では、2015年にDeNAに新卒入社、Mirrativ立ち上げ時からエンジニアチームに加わり、最年少ながらもCTOとしてチームをリードする夏 澄彦氏へインタビュー。

同社で働くやりがいや楽しさや、今後の展望を伺ってきました。

Mirrativとは

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– 最初に、「Mirrativ」が一体どんなサービスなのかお聞きしてもよろしいでしょうか?

Mirrativは、スマートフォン一台で簡単にゲーム実況の配信ができるアプリです。Mirrativと、配信したいゲームのアプリさえあれば誰でも簡単にゲーム実況をすることができます。

これまでゲーム実況をする場合、YouTubeやTwitchといったサービスを使ってPCから配信する方法しかなかったのですが、実況をするためにPCで配信環境を設定することって、相当ハードルが高かったと思うんです。

そこで、スマートフォン一台で、簡単にゲーム実況ができるようになれば、ユーザーの皆様に、今までなかった新しい体験の提供ができると考え、2015年の8月にMirrativをリリースしました。

– ツイキャス(TwitCasting)のような配信サービスは以前にもありましたが、スマホ一台でゲーム画面をそのまま配信できるのは革新的ですね

はい。Android 5.0 (Lollipop)からMediaProjectionというAPIによりそれが技術的に可能になったというのも、このサービスを作るきっかけになりました。(後にiOSでもReplayKitというフレームワークにより画面の収録が可能になりました。)

– 運営していく上で大変な部分はありますか?

ライブストリーミングのサービスということでリアルタイム性が非常に強い所です。

動画、音声、更に配信者側と視聴者側双方の通信状況に加え、僕らのサーバーの状態といった複数の要因が積み重なっているサービスなので、そこを安定させ、かつ遅延が少なくなるようにしていくことが大変な部分です。

– やはり通信の部分にはかなり力が入っているんですね

そうです。ぼくらのサービスは「友達の家でドラクエをやっている感じ」というコンセプトで運営しているので、配信者と視聴者がリアルタイムにコミュニケーションをとれることをすごく大切にしています。

なので、遅延を減らすということは非常に重要視していて、他社サービスではCDNを使っているような部分も自分たちで作っています。

ユーザーの反応がリアルに感じられることが最大のやりがい

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–  サービスを運営していく中で、どんな時にやりがいを感じますか?

僕は現在CTOという立場で、開発全体のディレクションと実際にエンジニアとして手を動かすのが半々ですが、共通してやりがいに感じているのは、サービスの成長を実感できる時と、サービスを使っているユーザーさんが楽しんでくださっているのがわかる時です。

– ユーザーさんの声というのはどういった所から拾ってくるんですか?

常にアプリのレビュー欄やTwitterを見ていますが、実際にユーザーさんの配信も視聴します。楽しんでいる様子がリアルに伝わってくるのがMirrativの特徴でもあるので、そこはすごく面白いと思っています。

– 運営の皆さんも視聴されているんですね!

はい。みんな見ていますね。もちろん、ユーザーとして使っていたりします。配信をしているメンバーも多いです。

ユーザーさんからのレビューは、常にSlackで通知されるようになっているので、対応が必要なものはすぐに対応しています。それだけでなく、週に1度社内のメンバー全員で「ユーザーフィードバック」という時間を設けて、レビューやTwitter、TwitterDMなどからいただいたユーザーさんからの声をシェアして議論をしています。

第三の居場所を作っていく

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– これからさらにサービスも成長していくと思いますが、将来的にはどういった展望を描いているのでしょうか?

最近社内で「サードプレイス」という言葉をよく使っていまして、これは自宅でもなく学校や職場でもない、第三の居場所をMirrativで提供していきたいという思いで使っています。

例えば、会社で何か上手くいかないことがあったり学校で趣味の合う友人がいなかったとしても、ゲームなどのようにお互いの好きなことをきっかけとしして、友達が出来て、日々分かりあえるような場所にMirrativがなっていければいいなと思っています。

– ネット上での配信自体のハードルは年々下がっているようにも感じますが、まだハードルはあると

そうですね。こと日本の話でいうと、やはり他の国と比べると恥ずかしがり屋な傾向があるので、顔を出して配信することに抵抗がある方が多いんです。

ただ、それだと配信者の表情や雰囲気が伝わりづらい。そこで僕らはMirrativ内に「エモモ」というアバター機能を用意して、そのアバターに様々な感情表現ができる機能を実装しました。

これにより、配信者はエモモを通じてなりたい自分を表現でき、視聴者もゲーム画面と音声以外で、より配信者さんのことを身近に感じられるようなコミュニケーションがとれるようになったと思っています。

unnamed (1)エモモはゲーム画面と同時に表示させたまま配信することができる

– なるほど

人って、みんな「なりたい自分」みたいな像があると思うので、エモモを通してなりたい自分になってもらってもいいと思います。また、コミュニティにあわせてアカウントを使い分けたり、自分の居心地のいい環境をいくつも持てる状態をMirrativ上に作っていけたら面白いなと思っています。

信頼し合えるプロフェッショナルの集まり

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– ありがとうございます。次に、会社としてのミラティブの魅力をお聞きしたいと思います

まず開発チームの話ですが、みんなすごく優秀だと思っています。MirrativではiOS、Android、サーバ、インフラ、ライブストリーミング、3Dモデリング、機械学習といった幅広い領域の技術を扱っており、メンバーそれぞれが自分の強みを持っています。

しかも、ミラティブのエンジニアは経験が豊富なメンバーが多く、みんな守備範囲も広いんです。それぞれの専門分野に加えて、そこから広がった知見も持っています。

これによりお互いにサポートする部分とそれぞれで強みを発揮する部分のコミュニケーションを円滑にとることが出来ます。

この以心伝心の状態ができているのは、とても魅力だと思います。

– お互いに信頼し合える状態なんですね。素敵です

会社全体で言えば、Mirrativというサービスが大好きなメンバーが集まっているので、全員が「サービスを伸ばすために自分は何をすれば良いのか」ということを自分で考えて動けるのも魅力です。

年齢や立場、職種などに縛られずみんなフラットに接する組織なので、ポジティブな意見を言い合い、お互いを信頼し、尊重しあいながらサービスを運営しています。

– コミュニケーションも多そうですね

そうですね。けっこうワイワイしています (笑)

一緒に将来を描いていける人と働いていきたい

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– 採用の話に関しても少しお伺いしたいのですが、これからどういう方に参加してほしいとお考えですか?

ミラティブという会社もそうですし、Mirrativ自体も非常に思想が濃いサービスなので、技術やライブストリーミングのサービスに興味があるというよりは、Mirrativを今後3年とか4年というスパンで一緒に伸ばしていきたいと思っていただける人と一緒にやっていきたいなと思っていますね。

– 技術というよりは、思想の部分が重要なんですね

Mirrativは単なる配信ツールではなく、コミュニケーションサービスとして運営しているので、ミラティブのミッションである「わかりあう願いをつなごう」という世界観に共感いただけるととてもいいと思います。

– 今、インターンの方も募集されているんですよね

そうですね。今いるエンジニア全員に、1人ずつインターン生がついても面白いんじゃないかな、とも考えています。

– どんな方に来てほしいとかはあるのでしょうか?

ミラティブに少しでも興味があって、任せられた仕事に対し最後までコミットできる方がいいですね。僕らも教えられることは惜しみなくどんどん教えますが、業務の中で自分から学んでいける人に来ていただきたいです。

現時点で技術的に優れている必要はないので、学校で少しプログラムを触ったことがあるとか、ToDoリストみたいなごく簡単なアプリを作ったことがあるくらいでも、僕は正直いいと思っています。

それよりも、自分自身でどれだけ突き進められるか、わからないことに対して適切な質問やコミュニケーションがとれるかどうかが大事です。

自分がほしいと思うものを作ってみる

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– 最後の質問になるのですが、これからプログラミングを勉強しよう、エンジニアになろうと考えている方へ、今すぐ始められるアクションを一つ教えていただければと思います。

エンジニアの醍醐味を感じるなら、まずは何か作ってみるのが良いと思います。

本当に簡単なものでもよくて、単語帳とか、ToDoリストでも何でも良いんですけど、自分が使いたいものを作る。

– 自分の使いたいもの?

自分がユーザーとして使う前提で作ってみるんです。最初は粗いものでも良くて、出来上がったあと自分で使ってみて「ここは使いづらいな」とか「ここはもっと簡単でもいいな」とか、感じたことを調べながら少しずつ直していく。

そうやって、自分(ユーザー)に最適化したものを作れると達成感もありますし、つくり手とユーザーの視点、両方を学ぶことができて面白いと思います。

– 夏様も最初何か作っていたんですか?

僕の場合は、自分用の英単語帳を作っていました。

大学生の頃、学校と家がすごく遠くて移動時間が暇だったので、英語のPodcastを聞いていたのですが、そこでわからなかった単語と例文をその英単語帳に登録していったら勉強が捗るんじゃないかと思って作りました。

– 確かに、わからなかった単語や文章を自分で入れて、そのあとに呼び出したらすごく覚えやすそうですね

そうですね。英単語帳のサービスは、既にたくさん存在していたのですが、自分専用に作ることは面白かったです。

「もっとこうしたい」という思いがあると、新しい技術の勉強も頑張れたりするので。そうやって進めていくと、学習のモチベーションも維持しやすいと思います。

– ありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!

 

<今回インタビューにご協力いただいた夏さんの登壇するトークセッションイベントを開催します!現在急成長しているBtoCアプリ開発の裏側を直接聞くチャンス!ぜひご参加ください!>
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